ブレードサーバ 【blade server】
概要
ブレードサーバ(blade server)とは、一枚の電子基板にコンピュータとして必要な要素を実装し、必要な枚数を接続して構成するサーバ専用機。構成要素の単位となる小型の基板を「ブレード」(blade)というが、これは「刃」という意味で、薄く細長い形をしたサーバ基板の形を刃に見立てた表現である。専用の筐体は「ブレードシャーシ」(blade chassis)あるいは「ブレードエンクロージャ」(blade enclosure)と呼ばれ、内部にブレードの差込口(コネクタ)が並び、ブレードへの給電・制御ユニットなどが用意されている。装着される各ブレードにはマイクロプロセッサ(CPU/MPU)やメインメモリ(RAM)、ストレージなどが配置され、単体で一台のコンピュータとして機能する。
ブレードサーバは3Uサイズの筐体ならば20枚程度、1Uサイズの筐体でも6枚程度のサーバブレードを詰め込めるため、1Uサーバよりもさらに体積あたりの台数を増やすことができる。一般的なサーバラックは30Uから40U程度の容量があるため、ブレードサーバを利用することで1台のラックに最大で250台程度のサーバを詰め込める計算になる。
また、ブレードサーバでは給電ユニットや放熱ファンを数枚のサーバブレードで共有するため、故障の発生しやすい部品の点数を減らすことができる。また、サーバを大量に用意することでシステム全体の信頼性を向上させられることもブレードサーバの特長である。
フルハイトブレード (full-height blade)
ブレードサーバに装着するブレード部品のうち、装着時の高さ(基板の幅)が約36cmのもの。高さを半分にしたものをハーフハイトブレードというが、フルハイト型は一台あたりの性能を重視する場合によく用いられる。
ハーフハイトブレード (half-height blade)
ブレードサーバに装着するブレード部品のうち、装着時の高さ(基板の幅)が約18cmのもの。もともと存在したフルハイトブレードの高さを半分にしたものである。台数の密度を高めたい場合に用いられることが多い。
サーバブレード (server blade)
サーバの機能を一枚の基板に集約した小型のコンピュータをサーバブレードと呼び、ブレードシャーシ(ブレードエンクロージャ)に差し込んで使用する。
一枚のサーバブレードにはメモリ(RAM)やストレージ(ハードディスクやSSDなど)、マイクロプロセッサ(CPU/MPU)、ネットワークコネクタ、外部入出力端子など、単体のサーバとして機能するのに必要な要素が装着されている。電源ユニットや冷却ファンはシャーシ側に別に取り付けて複数のブレードで共有する設計担っていることが多い。
ブレードサーバに差し込むブレードの中で最も基本的なものである。ブレードには他にもネットワークスイッチやストレージ、管理モジュールなど特定の装置や機能に特化したものもあり、それらと連携して一つのシステムを構成する。
ストレージブレード (storage blade)
ブレードサーバ筐体のスロットに装着して使用できるストレージ部品のこと。3.5インチハードディスクサイズのストレージ装置を3台から6台程度内蔵することができ、ブレードサーバ全体の記憶装置として機能する。
単体でNASとして機能する製品や、SASやSATAなどのインターフェースで別のサーバブレードに接続して利用する製品がある。アレイコントローラを内蔵し、内蔵したハードディスクでRAIDを構成することができる製品が多い。