リテンション 【retention】

概要

リテンション(retention)とは、保持、保有、記憶、維持、滞留などの意味を持つ英単語。何かを繋ぎ止めたり保持し続けることを指し、日本語の外来語としては主に人事分野やマーケティング分野でそれぞれ異なる意味で用いられる。

人事分野のリテンション

人事や人材活用などの文脈でリテンションという場合は、従業員の離職、流出を防ぎ定着を図るための施策を指す。新卒社員や他社からの転職者などが早期離職するのを防ぎ、採用や教育にかかるコストを削減したり、優秀な人材が転職しないよう社内に繋ぎ止める。

働きやすい環境を整えて従業員満足度を高め、長期的な見通しを立てやすくすることが重要で、給与体系や福利厚生などの充実、新人が速やかに業務や組織に馴染めるようにするためのオンボーディング、多様な生き方やライフステージに合わせた就業時間や休暇制度、志願制を取り入れた異動・配属制度などが該当する。

マーケティング分野のリテンション

マーケティングの文脈でリテンションという場合は、既存顧客と良好な関係を築いてこれを維持し、低コストで収益の向上を図る施策を指す。

一般に、新規顧客の獲得よりも既存顧客に取引を促す方がコストが低いことが多く、既存顧客の満足度や印象を良好に保ち、関連製品の購入(クロスセル)、新製品や上位モデルへの買い替え(アップセル)といった新たな取引機会を創出する活動をリテンション(・マーケティング)という。

CRMCustomer Relationship Managementシステムなどで各顧客の情報や購買履歴、接触履歴などを統合的に管理し、満足度を向上させることが重要とされる。具体的な施策としては、丁寧で充実したカスタマーサポート、優待プログラムポイント制度などのロイヤルティプログラム、関心を持続するための定期的な案内やメールマガジンの配信などが挙げられる。

(2022.2.26更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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