BI 【Business Intelligence】 ビジネスインテリジェンス

概要

BI(Business Intelligence)とは、企業の情報システムなどで蓄積される様々なデータを、利用者が自らの必要に応じて分析・加工し、業務や経営の意思決定に活用する手法。そのためのソフトウェア情報システムBIツールあるいはBIシステムという。

従来の情報システムではデータを蓄積・保管していても、単に記録として残すためで活用などはせずに死蔵するか、会計事務などのために情報システム部門の人員が専門的な技術や技能、システムなどを用いて定型的な帳票や報告書などを作成するのが一般的だった。

BIでは、経営層や部門長などの意思決定者や、個別の業務を担う現場のスタッフが自らソフトウェアを操作してデータを抽出・分析し、自らの業務や意思決定にとって有用な情報に加工する。属人的な経験や勘に頼らず、実際の業務から得たデータに基づいて分析や予測、改善などを進めることができる。

BIツール

BIの実践には、専用に作られた「BIツール」というソフトウェアを用いることが多い。これはオフィスソフトのようにコンピュータの専門家ではない一般の利用者が使用することを想定したシステムで、グラフィック表示・操作(GUI)でデータの操作や分析をうことができる。

データが蓄積された社内のデータベースシステムと連携して必要なデータ検索・抽出したり、多次元分析など多様な視点から解析・分析したり、データや分析結果を表やグラフなどにまとめ、分かりやすく可視化する機能を提供する。狭義には、このようなBIツールを導入して業務部門や経営層が活用できるようにすることを指してBIと呼ぶことが多い。

より広義には、様々なシステム分散したデータを一元化する「データウェアハウス」(DWH)やデータ抽出をう「ETLツール」、部門ごとに必要な形式に変換する「データマート」、必要なデータを抽出・分析する「データマイニング」や「OLAP」など、併用されることが多い関連技術・システムの全体を含める場合もある。

歴史

19世紀の商業に関する文書や、1950年代のコンピュータ黎明期の研究などで “business intelligence” という概念が登場するが、コンピュータシステムによるデータ活用という今日的な意味でのBIの概念は、1990年代頃から普及したものとされる。

これは1960~70年代に見られた、経営層の意思決定に情報システムを活用しようとする「MIS」「DSS」「EIS」などの試みを踏まえたもので、1989年に当時の米DEC(Digital Equipment Corporation)社のハワード・ドレスナー(Howard Dresner)氏が提唱したものが起源とされている。

(2024.3.29更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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