ゴンペルツ曲線 【Gompertz curve】
概要
ゴンペルツ曲線(Gompertz curve)とは、関数を図示した曲線の一つで、時間経過に伴い増加幅が指数的に増加あるいは減少する様子を表したもの。IT分野では信頼度成長曲線として用いられることがある。1825年にイギリスの数学者ベンジャミン・ゴンペルツ(Benjamin Gompertz)が定式化したゴンペルツ関数を図示したもので、変数xとyについて、定数K、a、b、自然対数の底eを用いて y = Kaebx という関係を表している。ebxの部分はbxのようにする場合もある。
ゴンペルツは同年齢の集団の生存数の経年変化を観察し、年齢と死亡率の関係を調べた。すると加齢に伴い死亡率が指数的に増加していくことに気がつき、このような二重指数関数の形で表した。上記の式では係数bが正の場合に相当する。
20世紀になると、このような関係が生物の体の成長や個体の増殖などにも当てはまることが見出され、様々な分野で応用されるようになった。これらの場合では時間の経過に伴って増加幅が指数的に減少し、ある値に向かって収束していく様子を表しており、係数bが負の場合に相当する。
これが現在一般に知られるゴンペルツ曲線で、xを0から減少させていくと下に凸のカーブを描いて0に収束していき、0から増加させていくと上に凸のカーブを描いて一定の値へ収束していくS字型の曲線となる。ソフトウェア開発では時間経過とバグの発見数の関係を表す「信頼度成長曲線」をゴンペルツ曲線によって近似する手法がよく用いられる。
(2022.3.19更新)