デルファイ法 【delphi method】

概要

デルファイ法(delphi method)とは、集団の意見や知見を集約し、統一的な見解を得る手法の一つ。メンバーに個別に回答を求め、得られた結果を全員に見せ、再び個別に回答を求める、という過程を何回か繰り返す方式。

あるテーマや設問について参加者(例えば、その分野の専門家集団)に個別に回答してもらい、得られた結果をフィードバックして他の参加者の意見を見てもらった後、再度同じテーマについて回答してもらう。この過程を何度か繰り返すことにより、ある程度収束した組織的な見解を得ることを目指す。

回答のフィードバックに際しては個別の意見は回答者を伏せて匿名で掲載するのが原則で、意見の分布を統計的な図や表で示し、集団の中で自分の意見がどのような位置にあるか知らせる場合もある。

会議などで参加者が一堂に会して議論をすると参加者間の人間関係や権威者への配慮、討論テクニックの巧拙、場の雰囲気(少数派へのプレッシャー等)などが議論の内容に影響することがあるが、デルファイ法はテーマと直接関係ないそれらの要因が極力働かないよう設計されている。

デルファイ法は複数の専門家にその分野の将来予測や未知の事柄の推計などをしてもらうための技法として考案されたが、現在では企業活動にも多く取り入れられている。ITの分野ではシステム開発プロジェクトの規模や工数の見積り、リスクの想定などに用いられることがある。

(2020.2.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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