クリティカルチェーン法 【CCPM】 Critical Chain Project Management

概要

クリティカルチェーン法(CCPM)とは、プロジェクトの管理手法の一つで、各工程を前後関係に従って繋いでいったときに最も時間がかかる経路に着目し、工程間の資源の競合を勘案しながら計画をう方式。

プロジェクトの各工程を、プロジェクト開始から終了まで「前の工程が終わらないと次の工程が始まらない」という依存関係に従って結んでいったときに、所要時間が最長となるような経路を「クリティカルパス」(critical path)という。

このクリティカルパス遅延が生じないよう(あるいはなるべく短縮するように)管理する手法をクリティカルパス法というが、各工程に投入する資源は独立に決められるという前提に立っているため、同じ人員やチームが複数の工程を担当するという状況をうまく取り扱うことができない場合がある。

クリティカルチェーン法では、工程間の繋がりを作図する際に、工程自体の前後関係の他に、担当者や担当チーム、設備、資材などが競合する工程は並行に進めることができないという前提を取り入れる。これを「クリティカルチェーン」と呼び、同じ資源を繰り返し投入するプロジェクトではクリティカルパスよりも長い期間が必要となる。

クリティカルチェーン法では各工程の工期には余裕(バッファ)を持たせず、最短で終わらせることができるギリギリの時間を設定する。代わりにプロジェクトバッファとして工程全体で余裕時間を共有し、遅延した工程に全体のバッファから取り崩していく。工程ごとに余裕を設けることで「期限までに仕上げれば良い」という意識が蔓延する「学生症候群」を防止する狙いがある。

1997年にイスラエルの物理学者、エリヤフ・ゴールドラット(Eliyahu M. Goldratt)氏が小説 “Critical Chain” (邦題:クリティカルチェーン ― なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?)で紹介した理論で、同氏が提唱した「制約条件の理論」(TOCTheory Of Constraints)をプロジェクトマネジメントに応用した手法である。

(2023.10.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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