シングルクォーテーション 【‘’】 single quotation mark / 一重引用符

概要

シングルクォーテーション(‘’)とは、欧米圏の言語などで用いられる、点が一つの引用符「‘」「’」のこと。日本語の鉤括弧(「」)に近く、文章中で引用や台詞、作品名などを地の文と区別するために囲む。

ASCII文字コードでは閉じ記号(右引用符)の「'」(39番、16進数で27)しか用意されていないため、'abc' のようにこれを開始と終了の両方に用いることが多い。標準的なキーボードでは最上段の「7」キーを、Shiftキーシフトキー)を抑えながら押すと入力できる。

この記号は「I'm」など英語で省略を表すときに用いられる「アポストロフィ」(apostrophe)とも呼ばれるが、元来別の記号だったものが形がほとんど同じことから同一視されるようになったもので、文中での役割などは異なる。規格上はアポストロフィということになっている。

一方、点が二つの引用符「“」「”」は「ダブルクォーテーション」(double quotation/二重引用符)という。シングルクォーテーションとまとめて「クォーテーションマーク」と総称することもある。文章中での使い分けには明確なルールがあるわけではなく用途はほとんど同じだが、一方で囲んだ文章中でさらに引用符を使いたい場合はもう一方を使うべきであるとされる。

IT分野では、プログラミング言語で x='abc' のように文字列リテラルを表す括り記号として用いられることがある。C言語では c='x' のように文字リテラル(char型)を表す記号として用いられ、文字列リテラルにはダブルクォーテーション(")を用いる。BASIC系言語(Visual Basic/VBA等)ではコメント(プログラムの一部として解釈しない注釈)を表す記号として用いられる。

(2022.5.13更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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