エッジAI 【edge AI】
利用者の操作するパソコンやスマートフォン、自動運転車、IoTデバイスなど、末端側の機器(エッジデバイス)にAIシステムを搭載して処理を行う形態である。機器に導入するソフトウェアに、事前に機械学習を行った学習済みモデルを搭載して分類や推論、パターン認識などのデータ処理を行う。
一方、クラウドサービス上に実装され、末端の機器からはインターネットや広域的な閉域網を通じてアクセスするAIシステムを「クラウドAI」という。端末はデータをクラウドに送ってAIによる処理を要求し、結果のみを受け取る形態である。
エッジAIはクラウドAIに比べ通信回線に繋がらない環境や接続状態が不安定な状況でも利用でき、通信に伴う遅延や通信コストなども削減することができる。インターネットや外部サービスにデータを送らなくて良いため、機密やプライバシーの保護、セキュリティの確保もしやすい。
一方、末端の機器は処理能力や記憶容量に限りがあるため、巨大な学習済みモデルを導入したり複雑な処理を行うことは難しく、機能や用途に制約がある。リアルタイム性が重視される用途や定型的なパターン認識などに向いており、自動運転車の障害物検知、工場の不良品検査などに導入事例が見られる。
(2024.7.31更新)