読み方 : エラーうめこみほう

エラー埋め込み法【バグ埋め込み法】

概要

エラー埋め込み法とはソフトウェアテストにおいてプログラム内に残存するバグ(欠陥)の総数を統計的に推定する手法の一つ。あらかじめ意図的にバグを埋め込んだ状態でテストを実施し、その発見率を基に本物のバグの母数を見積もる。
エラー埋め込み法のイメージ画像

テストの実施前に、開発者が既知のバグを一定数プログラムへ埋め込む。テスト担当者には埋め込みバグの内容や位置を知らせず、通常通りテストを行わせる。テスト後、担当者が報告したバグを開発者が照合し、埋め込みバグと本物のバグの内訳をそれぞれ確認する。

推定には比例計算を用いる。埋め込みバグの発見率が分かれば、本物のバグも同じ割合で発見されたと仮定して総数を逆算できる。例えば、20個のバグを埋め込んでテストを行い、担当者が計15個を発見したとする。その内訳が埋め込みバグ5個・本物のバグ10個であれば、埋め込みバグの発見率は5÷20=25%となる。この発見率が本物のバグにも等しく適用されると仮定すると、元から存在した本物のバグの総数は10÷0.25=40個と推定され、未発見のバグは30個と見積もられる。

この推定が成立するには、埋め込みバグと本物のバグが同程度の難易度や性質を持つという前提が必要である。埋め込みバグが実際より見つけやすい性質であれば発見率が不当に高くなり、本物のバグ総数を過小評価する。逆に、発見しにくいバグを埋め込めば過大評価につながる。また、テスト後に埋め込んだバグをすべて除去しなければ、それ自体が残存欠陥となるため、管理には注意を要する。

エラー埋め込み法は欠陥数を厳密に算出する方法ではなく、テストの進捗状況や残存品質を定量的に評価するための近似的手法として用いられる。考え方の原理は、生態学で野生動物の個体数を推定する際に使われる「捕獲再捕獲法」(標識再捕獲法)と同じである。これは、捕獲してマークを付けた個体を再び野生に放ち、再び捕獲を行いマーク付きの個体が含まれる割合から全体数を推定する手法である。

(2026.6.15更新)
 

資格試験などの「エラー埋め込み法」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
令5修1/平23修1】 バグ埋込み法によってソフトウェア内に残存するバグを推定する。テストによって現在までに発見されたバグは48個であり,総埋込みバグ22個のうち,テストによって発見されたものは16個であった。
令4修6】 エラー埋込み法による残存エラーの予測において,テストが十分に進んでいると仮定する。当初の埋込みエラーは48個である。テスト期間中に発見されたエラーの内訳は,埋込みエラーが36個,真のエラーが42個である。
令1秋】 エラー埋込法において,埋め込まれたエラー数をS,埋め込まれたエラーのうち発見されたエラー数をm,埋め込まれたエラーを含まないテスト開始前の潜在エラ一数をT,発見された総エラー数をnとしたとき,S,T,m,nの関係を表す式はどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。