下駄記号 【〓】
概要
下駄記号(〓)とは、太い横二本線の記号文字「〓」のこと。下駄の足跡に似た形であるためこのように呼ばれる。表示できない文字の代わりとして用いられる。活版印刷で原稿の文字を組んでいく際、必要な活字が存在しないときは使っていない適当な活字を裏返して配置し、隙間が生じないようにする慣習があった。活字の頭の部分には中央に太い切れ込みがあるため、そのまま印刷すると太い二本線が現れ、これを下駄の歯になぞらえて「下駄」「下駄記号」と呼ぶようになった。
日本語の文字コードではJIS X 0208などに「下駄記号」の名称で収録された。活版印刷の時代と同じように、文字コードやフォントの都合で表示できない文字に出くわしたときに代わりに表示する記号として用いられるようになった。OCRなどで判読不能な文字や、不適切な表現の伏せ字などとして用いられることもある。
日本の印刷業界の慣習に由来する記号であるため海外では馴染みがなく、表示・印刷不可能な文字の代用という意味合いも伝わらないため注意が必要である。国際的な文字コード標準のUnicodeでは、U+3013に「GETA MARK」(ゲタマーク)の名称で収録されており、対応フォントがあれば日本語環境以外でも表示可能となっている。
(2023.10.30更新)