読み方 : ブイじモデル
V字モデル【V-model】
概要

設計工程は要件定義、基本設計、機能設計、詳細設計、実装の順で、図の左上から右下に向かって進む。実装を折り返し点として、今度は右上に向かって単体テスト、結合テスト、システムテスト、受け入れテストの順でテスト工程が並ぶ。
各テスト工程は、図の左側にある設計工程と同じ高さに配置され、対応する工程の成果物を検証する形で実施される。詳細設計には単体テスト、機能設計には結合テスト、基本設計にはシステムテスト、要件定義には受け入れテストがそれぞれ対応する。この対応関係により、どのテストがどの設計段階の仕様を検証するかが明確になり、テスト項目の抜け漏れを防ぐとともに、成果物のトレーサビリティが確保される。
ウォーターフォール型開発と組み合わせて用いられることが多く、上流工程の設計内容をテスト計画に早期に反映できるため、後工程での不具合修正コストの増大を抑える目的でも参照される。一方、工程間の行き来を前提としない構造であるため、要件変更が生じやすいプロジェクトへの適用には向かないとされる。アジャイル開発が普及した現在も、規模の大きな業務システムや組み込みソフトウェアの開発では参照されるモデルである。
このモデルの原型は、ドイツ連邦政府がソフトウェア開発の標準化を目的として1980年代末に策定したものとされる。軍事・行政分野における大規模開発での品質管理を体系化する中で整理されたモデルであり、同時期に米国の防衛企業ヒューズ(Hughes)社も人工衛星開発のために独立して類似の構造を考案していた。
(2026.6.18更新)