読み方 : アイティーエス

ITS【Intelligent Transport Systems】高度道路交通システム

概要

ITSとは道路交通に情報技術や通信技術を応用し、人や車両、道路設備などを連携させることで、交通の安全性向上、渋滞の緩和、輸送や移動の効率化を図る技術やシステム、サービスなどの総称。自動車だけでなく、道路や信号機、駐車場、公共交通機関、歩行者なども対象に含まれ、交通に関する情報を収集し共有して活用することで、道路交通全体の最適化を目指す。
ITSのイメージ画像

道路上のセンサーやカメラ、通信ネットワーク、車載機器などから得られる情報を運転者や交通管理者に提供する仕組みが基本となる。渋滞状況や事故情報を配信する交通情報サービス、料金所で停止せずに料金を支払える自動料金収受システムETC)、公共交通機関の運行状況を案内するサービスなどが例として挙げられ、交通インフラと利用者を情報でつなぐ役割を果たしている。

車両の周囲を監視して衝突を回避する自動ブレーキ、車線逸脱警報、車線維持支援といった運転支援システムもITSの一分野である。複数のトラックが車間距離を保って隊列を組み自動走行する技術や、事故発生時に救急機関へ自動で通報する仕組みなども開発・実装が進められている。

日本では1995年に警察庁、運輸省、建設省、郵政省、通商産業省の5省庁が共同で全体構想を策定し、本格的な取り組みが始まった。この構想では、ナビゲーションシステムの高度化、自動料金収受、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化、公共交通の支援、商用車の効率化、歩行者等の支援、緊急車両の運行支援という9分野に整理され、それまで個別に進められてきた技術や施策が一つの枠組みのもとに位置付けられた。

その後、道路交通情報通信システム(VICS)や電子料金収受システム(ETC)は実用化され、道路交通インフラの一部として広く普及している。近年では車両同士(車車間通信)や車両と道路設備(路車間通信)が直接通信する技術の研究開発が進展している。見通しの悪い交差点で接近車両を警告したり、緊急車両の接近を通知したりすることが可能となり、自動運転技術との連携も進められている。車両単独では把握できない周辺の状況を道路側から補完する仕組みの整備が、各国で交通事故の削減や物流の効率化、環境負荷の低減を目的に進められている。

(2026.6.20更新)
 

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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