SQLインジェクション 【SQL injection】 SQLi攻撃

概要

SQLインジェクション(SQL injection)とは、データベースと連動したWebアプリケーションなどに対する攻撃手法の一つで、検索文字列など外部から指定するパラメータの一部にSQL文の断片などを混入させ不正な操作をうもの。また、そのような攻撃を可能にする脆弱性。 “injection” は「注入」の意。

データベースを利用するWebサイトの中には閲覧者の求めに応じて動的プログラムを起動し、データベース管理システムDBMS)へデータ検索や更新などを依頼するものがあるが、その際に「SQL」(Structured Query Language)と呼ばれる問い合わせ言語が標準的に利用される。

検索機能などを実装するために、閲覧者がフォームなどに入力した文字列プログラムが受け取り、あらかじめ用意されたSELECT文などの一部に埋め込んでDBMSへ渡し、検索と該当データの抽出を依頼する処理がよくわれる。

その際、悪意のある攻撃者が検索文字列として引用符条件式などを組み合わせたSQL文の断片を渡すことにより、開発者が想定していないSQL文が生成・実行され、本来得られないはずのデータ出力してしまったり、保存されたデータが破壊・改竄されることがある。

SQLインジェクションの被害で最も多いのは個人情報などデータベースに保存された重要なデータや機密データの漏洩で、過去に名簿やアカウントリストなどの流出事件が様々なサイトで発生している。また、Webサイト改竄に悪用された場合、Webページ上にWebブラウザを攻撃するコードなどを埋め込まれる場合もあり、サイトを訪れた閲覧者に二次被害が広がってしまう。

対策としては、単純な文字列連結で動的SQL文を生成するのをやめてプレースホルダバインド機構)やプリペアードクエリ(プリペアードステートメント)のような仕組みを活用したり、渡された入力値を入念にチェックして特定の文字を適切にエスケープ(無害な文字に置換)するといった手法がよく知られ、これら複数の手法を組みわせることも推奨されている。

(2018.7.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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