コンテナ型仮想化 【containerization】
概要
コンテナ型仮想化(containerization)とは、コンピュータを仮想化する技術の一つで、元になるOSの一部を分離して、他と隔離された専用のエリアを用意し、その上でソフトウェアを動作させる方式。各区画が独立した単体のOSのように振る舞う。他の仮想化方式のように物理的なコンピュータのように振る舞う仮想マシン(VM)の構築は行わず、元のOS環境上に隔離されたエリアを作り、仮想的に新たなOS実行環境を作り出す。隔離された領域を「コンテナ」(container)という。
コンテナの内部で動作するソフトウェアはコンテナ外へ影響を及ぼすことはなく、管理用システムを除いてコンテナ外から干渉されることもない。元になるOSと別のOSを使用することはできないという制約はあるが、物理環境のエミュレーション(再現)に伴う性能劣化を避けることができ、コンピュータ自体で動作するのと遜色ない性能を得られる。
コンテナによる環境設定
コンテナ上で展開するOSやアプリケーションなどのプログラム、設定ファイルなどを一つのファイルとして記録することができるため、設定済みのシステム環境をファイル化し、コンテナ管理システムに渡すだけで即座にアプリケーション実行環境を展開することができる。
従来のシステム設定ではコンピュータへのOSの導入や設定、アプリケーションの導入や設定などを行わなければならず、ある程度自動化できるとは言え手間や時間が必要だった。コンテナによる展開は即座に行うことができるため、大規模なシステムの管理などではコンテナ型仮想化が好まれる。
(2025.1.19更新)