サーバ仮想化 【server virtualization】
概要
サーバ仮想化(server virtualization)とは、一台のサーバコンピュータを仮想的に複数台に分割し、それぞれに別のソフトウェアやサービスを稼働させる手法。仮想化ソフトウェアによって一台の物理サーバ上に複数台の仮想サーバを構築し、それぞれをあたかも独立したサーバのように操作・管理することができる。物理サーバと同じようにOS(オペレーティングシステム)を導入してアプリケーションを実行することができる。
同じコンピュータ内の仮想サーバ間ではCPU時間やメモリ容量、ストレージ容量などの資源が共有されており、動的に割り当てを変更できる。負荷が集中しているサーバに即座に資源を融通することができ、個別に機器を用意する場合に比べ無駄を減らして稼働率を平準化することができる。物理的な台数が削減されることで管理・運用コストも減らすことができる。
仮想サーバの実体はコンピュータのメモリ上で実行されているプログラムであるため、仮想化ソフトのライブマイグレーションなどの機能を用いて稼働を継続したまま別の物理的なコンピュータへ移転することができるという物理サーバでは不可能な特徴がある。これにより、メンテナンスや障害、災害などの際に待機系や離れた場所(DRサイト/バックアップサイト)にある予備機に即座に仮想サーバを移し替えて処理を続行することができる。
仮想サーバは必要に応じてすぐに構築したり、不要になったら廃棄できるため、開発やテストのためにサーバ環境が必要な場合にもすぐに手配することができる。物理サーバでは調達や環境構築に時間やコストがかかり、短期間だけ必要な用途でわざわざ新規に導入することは難しい。
(2018.8.1更新)