RMAN 【Recovery Manager】

概要

RMAN(Recovery Manager)とは、Oracle Databaseに用意されているバックアップツール。システム障害などに備えてデータベースの複製(バックアップ)、復旧(リストア)などをうことができる。

標準ではOSコマンドラインCLI)で実行できる「rman」コマンドを用いて設定や操作をう。オプションでWebアプリケーションを用意してWebブラウザから操作することもできる。

RMAN自体がコマンド入力による対話的な操作インターフェースを用意しており、プロンプトに続けて実行したいコマンドとオプションを入力して操作を実行する。例えば、対象データベースへの接続は「CONNECT」、バックアップ実行は「BACKUP」、バックアップからのリストアは「RESTORE」、リストアデータのリカバリは「RECOVERY」といったコマンドを用いる。

記録形式として、システム上に展開されているデータを丸ごと複製する「イメージコピー」と、バックアップ用に構成した形式で記録する「バックアップセット」を選択できる。バックアップ方式としては、すべてのデータを対象とするフルバックアップ、前回からの増分のみを追加する増分バックアップなどを選択できる。

無停止型のシステムではデータベースを稼働させたままバックアップを作成する「非一貫性バックアップ」となり、復旧時には変更を反映させるリカバリ処理が必要となる。(夜間や休日等に)停止可能なシステムではデータベースを一旦シャットダウンしてその時点での完全なバックアップを作成する「一貫性バックアップ」が可能で、復旧時にはデータを書き戻すリストアだけで高速に回復できる。

コマンドファイルを利用した定期的な操作の自動化や、バックアップデータの暗号化、破損箇所の検証、未使用領域のスキップによる容量削減、テープメディアへのバックアップなどの機能にも対応している。

(2021.6.28更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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