ACCDEファイル
概要

Microsoft Accessで作成したデータベースは通常、ACCDBファイルとして保存される。この形式はテーブルやフォーム、レポート、クエリ、VBA(Visual Basic for Applications)コードを自由に編集できるため、デザインビューを開いて構成要素の内容を確認したり変更したりすることが可能である。業務アプリケーションとして配布する場合、この自由度が誤操作による設計破損や、処理ロジックの流出につながる場合がある。
ACCDEファイルに変換すると、フォームやレポート、モジュール、クエリの利用や実行は通常通り行えるが、それらを新たに追加したり変更したりすることはできなくなる。テーブルやクエリの構造も固定され、参照や更新といった操作のみが許可される。VBAコードが含まれている場合も実行自体は可能だが、コードはコンパイルされて実行可能な形式に変換されており、元のソースコードは消去されるため、表示や書き換えはできない。
この形式は、データベースを業務で利用する人にファイルを配布する場面で多く用いられる。利用者はデータの入力や検索、更新といった通常の操作を行えるが、フォームのレイアウトやVBAコードなど設計に関わる部分には手を加えられない。これにより、利用者の誤操作による設計の破損を防ぐとともに、VBAコード内に記述された業務上のロジックやノウハウを開示せずに配布できる。なお、コンパイルされた状態で実行するため、わずかに処理速度が向上する効果もある。
ACCDEファイルへの変換は、Accessの「データベースの最適化/修復」や「データベースをデータベースアクセス実行可能形式に変換」といった機能を通じて行う。一度変換すると元の編集可能な状態には戻せないため、変換元となるACCDBファイルは別途保管しておく必要がある。設計内容の修正が必要になった場合は、保管しておいたACCDBファイルを編集し、改めてACCDEファイルとして変換し直すことになる。Microsoft 365環境のAccessでも、配布用パッケージとして同様の仕組みが維持されている。