OLE DB 【Object Linking and Embedding Database】
概要
OLE DB(Object Linking and Embedding Database)とは、アプリケーションソフトがデータを保管・管理するソフトウェアに接続し、データの取得や書き込み、操作などを行う方法の標準を定めたもの。米マイクロソフト(Microsoft)社が策定した仕様で、主に同社のWindowsで動作するデータベース関連ソフトウェアで用いられる。Windowsで動作するソフトウェアを部品化して他のソフトウェアに組み込むことができる「COM」(Component Object Model)を利用して提供される仕組みで、データの管理を行うソフトウェアを「OLE DBプロバイダ」(provider)、プロバイダの機能を利用してデータの取得や保存を行うソフトウェアを「OLE DBコンシューマ」(consumer)という。
コンシューマはOLE DBの規約に従ってプロバイダを呼び出すことにより、個々のデータ管理ソフトウェアの詳細な仕様や利用方法に個別に対応しなくても、OLE DBに定められた標準的な手段によりデータの操作を依頼することができる。
主要なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)製品の多くが外部から操作を受け付けるためのOLE DBプロバイダを提供しているほか、RDBMSに接続する標準的な手段を提供する「ODBC」(Open Database Connectivity)もOLE DBプロバイダの一つとして実装されている。
OLE DBによって接続・操作できるのはリレーショナルデータベース(RDB)に限らず、表計算ソフトのワークシートやCSVファイルを操作するためのOLE DBプロバイダなども存在する。.NET環境では「ADO.NET」を介してデータベース接続を行う方法が標準となったが、ADO.NETからOLE DBへ接続する手段(System.Data.OleDb)も提供されている。
(2024.1.16更新)