第1正規形 【1NF】 first normal form / 第1正規化

概要

第1正規形(1NF)とは、リレーショナルデータベースでデータの冗長性や不整合を排除した正規形の一つで、一つの行(レコード)の中で特定の項目が繰り返し含まれたり、複数の値を連結した値が含まれるような構造を廃したもの。そのような形式に変換することを第1正規化という。

例えば、書籍の情報を表で表そうとすると、著者が複数人の書籍について、著者の項が人数分だけ繰り返し出現したり、著者の項の中で著者名をカンマ区切りで列挙したりすることがある。このような形式は非正規形と呼ばれ、リレーショナルデータベースで扱うには適さないため、このような構造を改め、一つのレコードに同じ項目は一つのみ、一つの項目に記録するのは単一の値(データ)のみ、という制約に基づいて表を構成したものを第1正規形という。

第2正規形 (2NF/第2正規化)

ある表(リレーション)が第1正規形であり、かつ、レコード中の非キー項目のうち、主キーのいずれかが定まれば一意に定まるようなものを排除して独立した表として分離したものを第2正規形(second normal form)という。そのような形式に変換することを第2正規化という。

例えば、顧客からの注文を記録する表が「受注日、顧客名、製品コード、製品名、単価、数量」で構成され、受注日、顧客名、製品コードが主キーであるとき、製品名と単価は製品コードが定まれば一意に定まる。このような場合に、注文表から製品名と単価の項目を取り除き、「製品コード、製品名、単価」からなる新たな表として分離したものが第2正規形となる。

第3正規形 (3NF/第3正規化)

ある表(リレーション)が第2正規形であり、かつ、レコード中の非キー項目のうち、他の非キー項目のいずれかが定まれば一意に定まるようなものを排除して独立した表として分離したものを第3正規形(third normal form)という。そのような形式に変換することを第3正規化という。

例えば、製品の仕入れ先を記録する表が「製品コード、製品名、仕入先コード、仕入先名、所在地、電話番号」で構成され、製品コードが主キーであるとき、仕入先名や所在地、電話番号は仕入先コードが定まれば一意に定まる。このような場合に、表から仕入先名、所在地、電話番号の項目を取り除き、「仕入先コード、仕入先名、所在地、電話番号」からなる新たな表として分離したものが第3正規形となる。

(2017.12.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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