マイグレーション 【migration】 マイグレ
概要
マイグレーション(migration)とは、移行、移転、移住、移動、乗換などの意味を持つ英単語。ITの分野では、ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移転したり、新しい環境に切り替えたりすることを意味することが多い。情報システムのマイグレーション
既存のコンピュータシステムを構成する機器やオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトなど(のいずれかあるいはすべて)を、新しく用意した別の製品に入れ替えることをマイグレーションという。
ソフトウェアの部分的な修正や一部の装置の交換のような部分的な差し替えではなく、システムを全面的に刷新して新しい環境に置き換えることを指す。既存システムのどの部分を残すか(機種は同じ、OSは同じ、既存ソースコードを流用等)によって様々な手法が用いられる。
特に、旧式あるいは時代遅れ、サポート切れといった古いシステムから、現代的な新式の環境で新たにシステムを作り直して移転することを「レガシーマイグレーション」(legacy migration)という。
同じソフトウェアの旧版から新版に入れ替えることを一般的には「アップグレード」(upgrade)というが、新しい環境への移行という意味でこれをマイグレーションに含める場合もある。
データマイグレーション
異なる装置やソフトウェア、データ形式などの間でデータを移動することを「データマイグレーション」(data migration)という。
データの内容自体はそのままで、古い記憶媒体や装置から新しいものに移し替える場合と、異なるソフトウェアやデータ形式で扱えるよう変換して移転する場合がある。
仮想マシンのマイグレーション
コンピュータの仮想化で、物理コンピュータ上にソフトウェア的に構築された仮想マシン(VM:Virtual Machine)を別の物理コンピュータに移動することをマイグレーションという。
仮想マシンはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトなどから見れば物理コンピュータと同じように振る舞うが、自身は物理コンピュータのメインメモリ上に展開されたソフトウェアであるため、ある瞬間の実行状態をデータとして別のコンピュータに伝送することで複製・移転することができる。
仮想マシン上で稼働しているソフトウェアを一時停止して移転後に再開する方式を「クイックマイグレーション」あるいは「コールドマイグレーション」、実行状態のまま一瞬で移転することを「ライブマイグレーション」あるいは「ホットマイグレーション」という。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 日本図書館研究会「図書館界」58巻6号「電子ジャーナルのアーカイビング : 論点,動向,将来展望」(PDFファイル)にて引用 (2007年3月)