読み方 : ポストグレスキューエル / ポストグレス

PostgreSQL【ポスグレ】

概要

PostgreSQLとは、リレーショナルデータベース(RDB)の作成や操作、管理ができるオープンソースのデータベース管理システム(DBMS)の一つ。MySQLと人気を二分し、Linuxなど主要なUNIX系OSやWindows、macOSに対応する。標準SQLへの準拠度が高く、機能の豊富さや拡張性の高さで知られている。
PostgreSQLのイメージ画像

基本機能として、SQLによるデータの検索や追加、更新、削除、テーブルの結合、サブクエリ、制約、トリガー、インデックス、ビューなどに対応する。トランザクションはACID特性を備え、複数の利用者が同時にデータを操作する環境にも対応する。バックアップやレプリケーション、アクセス制御といった運用機能も備える。

拡張性の高さも特徴で、インデックス構造やデータ型、演算子、関数、集約関数などを利用者が自由に定義できる。標準的なリレーショナルデータに加え、JSONや配列、範囲型なども扱え、地理空間情報を扱うPostGISなどの拡張機能も広く利用されている。INSERT文とUPDATE文を条件に応じて使い分ける「UPSERT」構文も備える。こうした機能の豊富さから、商用DBMSからの乗り換え先としても選ばれている。

標準で「PL/pgSQL」言語が組み込まれており、ストアドファンクション(関数型のストアドプロシージャ)の作成と実行も可能である。PerlやPython、C言語による開発にも標準で対応し、外部開発の機能を追加すればJavaやJavaScript、R言語、シェルスクリプトなどでも開発できる。

近年の動向

近年では原則としてメジャーバージョンが毎年提供され、マイナーアップデートを通じてセキュリティ修正や機能改善も定期的に行われている。2024年にバージョン17、2025年9月にはバージョン18が公開された。

バージョン18では非同期I/Oサブシステムの導入によりシーケンシャルスキャンやバキュームなどの処理性能が向上したほか、複数列にまたがるB-treeインデックスを利用できる「スキップスキャン」やOAuth認証への対応が加わった。論理レプリケーションの機能強化やクエリ実行性能の改善、JSON処理や並列処理の拡充なども進められている。クラウド環境での管理自動化や、AI分野で使われるベクトルデータの検索への対応も進んでいる。

歴史

起源は1970年代にカリフォルニア大学バークレー校で開発されたRDBMS「Ingres」にさかのぼる。その研究成果を基に1986年から開始されたプロジェクトにより、従来のリレーショナルデータベースにオブジェクト指向的な拡張を組み込んだ「Postgres」が1989年に公開された。その後、SQL対応を進めた「Postgres95」を経て、1996年に名称を「PostgreSQL」へ変更し、1997年にバージョン6.0が公開された。

同大学でのPostgres研究開発プロジェクトは1993年に終了したが、オープンソースとして公開されていたコードを基に世界中の有志の開発者グループが後継の開発を引き継いだ。Postgresの商用版「Illustra」は当時の米大手DBMS開発元インフォミックス(Informix)社に買収され、同社が米IBM社に買収されたことで、同社のデータベース製品の技術基盤の一つとして受け継がれていった。

また、Postgresで提唱された「ORDBMS」(オブジェクトリレーショナルデータベース管理システム)の概念に基づく機能はSQL規格の1999年の改訂(SQL99)に大きく取り込まれ、他のRDBMSにも組み込まれていった。現在はPostgreSQL Global Development Groupを中心とする開発体制の下、特定の企業に依存しない形で開発が続けられている。

(2026.9.27更新)
 

他の辞典等による「PostgreSQL」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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