リレーショナルデータベース 【relational database】 RDB / 関係データベース

概要

リレーショナルデータベース(relational database)とは、データベースの構造の一つで、一件のデータを複数の属性の組として表現し、組を列挙することでデータを格納していく方式。属性、組をとする表(テーブル)の形で示されることが多い。最も普及している方式で、単にデータベースといった場合はリレーショナルデータベースであることが多い。

リレーショナルデータモデル関係データモデル)と呼ばれる数学的なモデルに基づいてデータを秩序立てて格納したデータ集合である。一件の登録単位は複数の属性attribute)の組(tuple)で、同じ属性を持つ組を何件も集めたデータの集合体をリレーション(関係)という。

これは実際には縦横に項目が並んだ表(テーブル)の形で整理される。リレーションが表に相当し、属性を縦方向に並んだcolumn)、組を横方向に並んだrow)として表す。システムによってはを「レコード」(record)、を「フィールド」(field)と呼ぶこともある。

実際のデータベースは「顧客マスタ」「製品マスタ」「受注明細」のように複数の表の集合として管理されることが多い。「受注明細の顧客IDは顧客マスタを参照する」といったように複数の表にまたがって同じ属性を配置し、対応付けて管理することができ、複雑なデータや大規模なデータを柔軟に取り扱うことができる。

RDBMSによる管理

リレーショナルデータベースはRDBMSRelational Database Management Systemリレーショナルデータベース管理システム)と呼ばれる専用のソフトウェアによって作成・運用されることが多い。データベースの管理はRDBMSい、他のソフトウェアは必要なときにRDBMSへ接続して操作を依頼する。

RDMBSへの指示には「SQL」(Structured Query Language)という問い合わせ言語が標準的に用いられ、データベースの作成や削除、テーブルへのデータの追加や更新、指定した条件を満たすデータ集合の抽出などの操作をなうことができる。

著名なRDBMSとしては、米オラクルOracle)社の「Oracle Database」、米マイクロソフトMicrosoft)社の「SQL Server」、米IBM社の「Db2」などの商用ソフトウェア製品、オープンソースで配布されている「MySQL」「MariaDB」「PostgreSQL」などが知られる。

個人や小集団で利用する「Microsoft Access」や米クラリス(Claris)社の「FileMaker Pro」のようなデスクトップデータベース製品や、RDBMSクラウドサービスとして提供する米アマゾンドットコムAmazon.com)社の「Amazon RDS」「Amazon Aurora」などもある。

歴史

リレーショナルデータベースの基礎となる理論は1969年に米IBM社のエドガー・コッド(Edgar F. Codd)氏が提唱したリレーショナルデータモデル(relational data model)で、これを元に開発されたRDBMSが1980年頃から当時の大型コンピュータ向けのソフトウェアとして普及し始めた。

1990年代以降は他の方式を圧倒し、企業などが情報システムデータの記録や管理をう際の標準的な手法として広まった。近年では、用途によっては「NoSQL」(Not only SQL)と総称される非リレーショナル型の方式が導入される事例も増えている。

(2023.8.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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