オブジェクト指向データベース 【OODB】 Object-Oriented Database / OODBMS / オブジェクトデータベース / object database

概要

オブジェクト指向データベース(OODB)とは、データベースの構造の一つで、互いに関連する複数の種類のデータとその操作をう手続きを一つのまとまりとして定義した「オブジェクト」を単位としてデータの格納や管理をうもの。

オブジェクト指向データベースに格納されたデータ群はオブジェクト指向プログラミング言語からそのままの形で直に操作、参照することができ、リレーショナルデータベースRDB/RDBMS)などで必要なデータ形式の変換や対応付け(O/Rマッピング)、問い合わせ言語による操作指示などが不要で、データ構造の変更などに柔軟に対応できるなどの長所がある。

ただし、特定のプログラミング言語から利用を前提としてシステムが多く、他の環境や言語から利用しにくい場合があるほか、データ構造が特定のアプリケーション設計と密接に結びついているため、様々なプログラムから同じデータベースを利用するような用途には向かない。

オブジェクト指向データベースは異なる種類・形式のデータが混在するデータ群や、多数のデータが一体的に結び付いたデータ構造の格納に適している。特定の言語で開発されたシステムが取り扱う複雑な構造のデータを高速に処理する用途や、CADシステムやマルチメディアデータベースなどでの応用がよく知られている。

オブジェクト指向データベースを作成・管理するためのデータベース管理システムDBMS)は「オブジェクト指向データベース管理システム」(OODBMS:Object-Oriented Database Management System)という。著名な製品には米オブジェクティビティ(Objectivity)社の「Objectivity/DB」や米インターシステムズ(InterSystems)社の「Caché」などがある。

オブジェクト指向データベースとしての機能に加え、問い合わせ言語としてSQLを利用できるなどリレーショナルデータベースとしての特徴を兼ね備えたものは「オブジェクトリレーショナルデータベース」(ORDB:Object-Relational Database)、その管理システムは「オブジェクトリレーショナルデータベース管理システム」(ORDBMS:Object-Relational Database Management System)と呼ばれる。

(2023.8.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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