AWR 【Automatic Workload Repository】 自動ワークロード・リポジトリ
概要
AWR(Automatic Workload Repository)とは、Oracle Databaseの機能の一つで、運用状況に関する統計情報を一定時間ごとに観測し、自動的に記録するもの。Oracle 10g以降が標準で対応している。AWRを有効に設定すると、データベースインスタンスが起動している間、実行状態を監視するMMON(Management Monitor)プロセスによって一定時間(デフォルト設定では60分)ごとに、システムの負荷や性能に関する情報を収集して「AWRスナップショット」として記録する。
各スナップショットは一意の番号が割り当てられてSYSAUX表領域に記録され、デフォルトでは8日間保管される。スナップショット間の変動を計算して各期間の統計的なデータを生成する。スナップショットに記録される値はインスタンス起動からの累計値であるため、再起動するとリセットされ、前回起動時との比較はできなくなる。
管理者の操作によって人間の読みやすい形式にまとめた「AWRレポート」を作成することができる。スナップショットの開始IDと終了IDを指定すると、その間の変動量を解析してプレーンテキストあるいはHTML形式で各項目をまとめてくれる。
閲覧できる項目はSGAやPGAの使用量、CPU時間、ディスクI/O、REDOログの生成速度、SQL実行回数、バッファキャッシュヒット率、負荷の重いSQL文、処理時間の長いイベントなどで、これを元に性能のボトルネックとなっている箇所の特定やチューニングすべき項目を判断することができる。
(2021.7.20更新)