冗長性 【redundancy】 リダンダンシー

概要

冗長性(redundancy)とは、必要最低限のものに加えて、余分や重複がある状態。また、そのような余剰の多さ。文脈により、除かれるべき無駄な余分を意味する場合と、何かに備えてあえて付加した余裕(あそび)を意味する場合がある。

システムの冗長性

情報システムの分野では、障害に備えて機材や回線などを複数用意し、並列に使用したり一部をすぐ使える状態で待機させたりすることがある。このような余裕を冗長性と呼び、システムをそのように設計・配置することを冗長化という。

システムの冗長性を確保することで運用信頼性や安定性を高めることができるが、一系統のみ用意する場合に比べ制御システムなどを含め倍以上の費用がかかるため、わずかでも停止すると大きな損害や混乱を招く恐れのある企業や官庁の重要なシステム冗長化の対象となる。

データの冗長性

情報科学の分野では、何らかの情報を伝送・記録する際、その情報の表現に最低限必要なデータ量よりも、実際に表現されたデータの量がどのくらい多いかを冗長性、あるいは冗長度(冗長量)という。

一般に、情報を何らかの形でデータとして表現すると、冗長な符号が含まれた状態になるため、効率的に伝送・記録するために冗長性を排して短い符号で置き換える処理をうことがある。これを「データ圧縮」(data compression)という。

逆に、伝送や記録の際に生じるデータの誤りを受信側・読み出し側で検出あるいは訂正できるようにするため、元の符号から一定の手順で算出された符号を付け加え、冗長化する処理をいう場合がある。これを「誤り検出符号」(error detection code)あるいは「誤り訂正符号」(error correction code)という。

(2019.6.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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