MariaDB

概要

MariaDBとは、人気の高いオープンソースデータベース管理システム(DBMS)であるMySQLから派生したオープンソースDBMSMySQLと高い互換性を維持しつつ独自の新機能なども盛り込まれている。

リレーショナルデータベースRDB)の作成や管理、データの書き込みや読み込みなどをうためのソフトウェアで、公開されているMySQLコードを複製し、独自の開発プロジェクトとして分岐したもの。GPLGNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。

バージョン5.5までは同じバージョン番号MySQLを元に一部を修正したものであるため、機能的にはまったく同一で、マルチユーザーでの利用、マルチスレッドでの動作に対応し、レプリケーショントランザクション管理など商用RDBMS製品に劣らない高度な機能に対応する。バージョン10系統からは独自開発の方針を強め、MySQLのすべての更新を取り込むことはしなくなった。

ストレージへのデータの読み書きに独立した「ストレージエンジン」を用いる構造もMySQLと同一で、InnoDBなどMySQL用のものをそのまま使うことができるほか、MariaDB ColumnStoreのように専用に開発されたものも用意されている。

歴史

MariaDB開発のきっかけは2009年にMySQL社がデータベース最大手の米オラクルOracle)社に買収されたことで、MySQLオープンソースソフトウェアとして将来も維持されるか不透明な状況となった。

これを受け、MySQL社創業者でもあるMySQLのオリジナル開発者、ミカエル・ウィデニウス(Michael Widenius)氏が、それまでに公開されていたMySQLコードを元に派生プロジェクトして新たにMariaDBを立ち上げた。ちなみに、“My” は同氏の長女の名前(ミーと発音)、“Maria” (マリア)は次女の名前とされる。

(2020.8.6更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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