カーディナリティ 【cardinality】
概要
カーディナリティ(cardinality)とは、数学で基数あるいは濃度という意味の用語。ITの分野では、リレーショナルデータベースにおいてあるテーブルの同一の列(カラム)に含まれる異なる値の数(バリエーション)のことを指すことが多い。例えば、学籍簿のテーブルを考える場合、学籍番号は全員異なり、氏名は同姓同名以外は異なっているため、これらの列は行ごとに値が異なっている度合いが高い。このことを「カーディナリティが高い」という。一方、性別や学年は取りうる値の種類が少なく、同じ値が何度も登場する度合いが高い。これを「カーディナリティが低い」という。
カーディナリティは値の数の絶対値とする場合と、レコード件数に対する比率とする場合がある。後者は値のバリエーションが多くても、レコード件数が極めて多く繰り返し同じ値が登場するならばカーディナリティは低いとする考え方である。
リレーションシップのカーディナリティ
ER図などによるデータモデリングやRDBMSのリレーションシップ機能では、項目の対応関係が一対一、一対多、多対多のいずれであるかを指してカーディナリティという。「多重度」と訳されることもある。
「担任」と「クラス」のように一方の一つの項目には他方の一つの項目のみが紐付く関係が「一対一」、「生徒」と「クラス」のように一方の一つの項目に他方の複数の項目が紐付きうる関係が「一対多」、「生徒」と「習い事」のように互いに相手方の複数の項目が紐付きうる関係が「多対多」となる。
(2021.5.18更新)