マテリアライズドビュー 【materialized view】 マテビュー / 体現ビュー

概要

マテリアライズドビュー(materialized view)とは、リレーショナルデータベース(RDB)で作成されたビューにある程度の永続性を持たせ、参照する度に再検索しなくていいようにしたもの。特定のビューを頻繁に参照する場合に性能が向上する。

RDBではデータを縦横に碁盤目状に並べて整理したテーブル(表)に記録するが、一つ以上のテーブルから特定の条件に基づいて一部のデータを抜き出し、あたかも一つの新しいテーブルのように表したものを「ビュー」(view)という。

一般的なビューテーブルのようにストレージ装置上に記録された実体を持たないため、作成後に操作が終了すると消滅し、同じ条件のビューをもう一度参照する場合は再度同じ検索・抽出をやり直さなければならない。

マテリアライズドビューはビューと同じ手順で作成できるが、抽出したデータを元のテーブルから複製し、即席のテーブルとして保存する。再検索せずに何度も繰り返し参照することができ、同じビューを繰り返し利用する場合に読み込み速度が向上する。

データベース管理システムDBMS)内部では一種のテーブルとして扱われるため、テーブルで利用できる機能(のうち、通常のビューでは利用できないもの)のほとんどを利用することができる。元になるテーブルが更新されると自動的にマテリアライズドビューにも反映されるが、更新頻度によってはわずかに時間差が生じることもあるため、必ず最新のデータを取得できるとは限らない。

通常の用途ではマテリアライズドビューは参照専用として作成・運用されるが、DBMSによってはデータの更新や書き込みが可能なマテリアライズドビューを作成することもできる。その場合、更新を参照元のテーブルにも反映させる動作モードと、マテリアライズドビューにのみ反映させ、次に参照元と同期すると上書きされて失われる動作モードがある。

(2024.3.13更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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