レコード 【record】

概要

レコード(record)とは、記録(する)、記録物、登録(する)、録音(する)、録画(する)などの意味を持つ英単語。IT分野では、複数の関連するデータとひとまとめにしたデータ構造や、リレーショナルデータベースに格納される一件のデータの集まりをこのように呼ぶ。

データベースのレコード

リレーショナルデータベースRDB)において、あるテーブル(表)に格納された、一組の値の連なりのことをレコードあるいは行(row)、組(tuple)などという。

RDBテーブルは格納すべきデータの名前(属性名、フィールド名)と形式(データ型)を列挙して定義される。テーブル上のデータを操作(挿入や削除、更新など)する際には、定義で列挙された値の組を一件の記録単位として行う。この一組の値の集合をレコードと呼ぶ場合がある。一方、テーブル内の各レコードの特定のフィールドの値を並べたデータ集合は列(カラム/column)、属性attribute)などという。

データ構造のレコード

いくつかのプログラミング言語では、データベースのレコードのように、固有の識別名データ型、形式を持つ複数の変数を一つにまとめたデータ構造のことをレコード型と呼ぶ場合がある。

レコード型の値の内部には、異なる型の変数や別のデータ構造配列など)などを含めることができ、全体をまとめて一つの変数として関数などの引数や返り値に指定したり、丸ごと複製や代入を行ったりすることができる。

レコードをプログラム上で扱うには、まずレコードの構造の定義を行い、定義したレコードの実体を宣言して値を代入する。この過程は開発者がその言語に新しいデータ型を組み込むようなものであるため、言語によっては「ユーザー定義型」のように呼ぶ場合もある。ちなみにC言語では同じ仕組みを構造体と呼ぶ。

(2019.4.11更新)

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試験出題履歴

ITパスポート試験 : 令6 問60

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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