読み方 : さしゅうごう
差集合【difference】

数学の集合論で用いられる概念で、集合Aから集合Bに属する元を取り去った集合を「AからBを引いた差集合」と呼び、「A-B」あるいは「A\B」と書き表す。例えば、自然数の集合Aから奇数の集合Bを引いたA-Bは偶数の集合となる。差集合は順序に依存する演算であり、A-BとB-Aは一般に一致しない。和集合や積集合とは異なり交換法則は成立しない。
全体集合Uから集合Aの要素を引いた差集合のことを集合Aの「補集合」(あるいは余集合)と呼び、「A」あるいは「Ac」のように表記する。なお、補集合は全体集合を前提とする概念だが、差集合は全体集合に限らず任意の集合間で求めることができる。
差集合に関連する概念として「対称差」(symmetric difference)がある。対称差とはAとBのいずれか一方にのみ属する要素の集まりであり、A△Bと表記される。これは「A-B」と「B-A」の和集合に等しく、両集合に共通する要素を除いた部分全体に相当する。
差集合の概念は情報処理の分野でも広く応用されている。リレーショナルデータベースの操作に用いるSQLのEXCEPT句は差集合を求める演算で、一方のクエリ結果から他方に含まれるレコードを除外する操作を行う。プログラミングにおいても、リストや集合型データ構造などに差集合を求める差演算が実装されている場合があり、重複の除外や変更差分の抽出といった処理に利用される。