関係モデル 【relational model】 リレーショナルモデル

概要

関係モデル(relational model)とは、データの集合を表現する数学的なモデルの一つ。データ群を複数の項目の「関係」(relation)として捉えるもので、リレーショナルデータベース(RDB)の理論上の基礎となっている。

関係モデルでは、一件のデータを複数のを紐付けた「組」(tuple)として表現する。それぞれのは「属性」(attribute)に所属しており、組の中では属性名を使って指し示すことができる。各属性はどのようなを取りうるかを定めた定義域(domain)を持つ。

この「組」と「属性」で整理されたデータ集合全体のことを「関係」(relation)と呼ぶ。関係のことを、属性のみが定義された、データの入れ物としての「関係変数」(relation variable)と、関係変数に具体的に0個以上の組を代入した「関係値」(relation value)に分けて考える場合もある。

関係モデルは集合論に基づいており、関係代数による関係同士の演算が可能である。基本的な演算として「和」(和集合を求める)、「差」(差集合を求める)、「交差」(積集合を求める)、「直積」(デカルト積を求める)、「制限」(条件に合う集合を抽出する)、「射影」(特定の属性だけ抽出する)、「結合」(条件に従って組み合わせる)、「商」(直積の逆演算)などがある。

RDBのテーブル

リレーショナルデータベースでは「テーブル」(table)と呼ばれる2次元の表を用いて関係モデルを具体的なデータ構造として記録する。関係モデルにおける組はテーブルにおける「」(row)に、属性は「」(column)に、定義域は「データ型」(data type)に、それぞれほぼ相当する。

ただし、テーブルと関係は厳密には同じ概念ではない。例えば、関係における組や属性の並びに順序は無いがテーブルでは順序が設定される、関係ではの重複(すべてのが同一である組を複数持つ)はできないがテーブルではできる、関係ではの不存在は許されないがテーブルではできる(Null値)、などの点が異なっている。

(2021.10.6更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる