エンティティ 【entity】
概要
エンティティ(entity)とは、実体、存在、実在(物)、本質、本体などの意味を持つ英単語。ITの分野では、何らかの標識や識別名、所在情報によって指し示される、独立した一意の対象物をエンティティということが多い。具体的にどんな存在のことをエンティティと呼ぶかは分野や製品によって異なるため一概には言えないが、一つの物事を表すひとまとまりのデータの集合などを意味することが多い。類義語には「インスタンス」(instance)、「オブジェクト」(object)などがある。
ソフトウェア設計などの分野では、システム上でデータとして取り扱うことができるよう抽象的にモデル化された、現実世界の対象物や概念のことをエンティティということがある。例えば、「学生」というエンティティをシステム上で表すために、「氏名」「学年」「学籍番号」という属性と「進級」「退学」「卒業」という操作の集合として定義する、といったモデル化が行われる。
HTMLエンティティ
HTMLやXMLなどのマークアップ言語では、特殊な記法によって画面上に表示された文字のことをエンティティという。ソースコード中で「&」(アンパサンド)と「;」(セミコロン)で挟まれた文字列は表示する文字を指定する特殊な記法であるとみなされ、これを指定されたエンティティに置き換えて表示する。
例えば、HTMLファイル中で「©」と記述すると、画面上ではその箇所が「©」に置き換えられて表示される。この「©」という文字のことをエンティティという。Unicodeの文字番号を指定して対応する文字を呼び出すこともでき、「😆」(10進数指定)あるいは「😆」(16進数指定)のように表記すると、その箇所が「😆」に置き換えて表示される。
(2025.8.20更新)