ニッチャー戦略 【market nicher strategy】 マーケットニッチャー / ニッチャー企業
概要
ニッチャー戦略(market nicher strategy)とは、企業の市場における競争上の地位(ポジション)および戦略の類型の一つで、規模の小さい特殊な製品の「すきま市場」で独占的あるいは寡占的な地位を築いた企業およびその取るべき戦略のこと。「ニッチ」(niche)とは「隙間」という意味で、大きな市場の中に存在する、製品や顧客が特殊で規模の小さいサブ市場のことである。ここに特化した中小規模の企業を「ニッチャー」(nicher)と呼び、市場規模が小さいため大きな売上(の拡大)は見込めないが、上位カテゴリー市場の大手が本格参入しにくいため安定して高い利益をあげることができる。
取るべき戦略としては、独自の技術やブランド、流通チャネルといった専門性、独自性を徹底的に磨き上げ、隣接領域や上位カテゴリーの大手企業が参入してこないよう高い参入障壁を築く戦略や、ニッチ市場が衰退・消滅することに備えて強みを活かせる別のニッチ市場を創出する戦略などが挙げられる。
アメリカの経営学者フィリップ・コトラー(Philip Kotler)氏が提唱した競争地位戦略で定義されている類型の一つで、氏は他の類型として、大きな市場で最大のシェアを持つトップ企業の「リーダー戦略」(leader strategy)、トップ争いに参加する2番手企業の「チャレンジャー戦略」(challenger strategy)、トップを狙う位置にない下位企業の「フォロワー戦略」(follower strategy)の3つを挙げている。
(2023.3.22更新)