公益通報者保護法
概要
公益通報者保護法とは、企業や官公庁などの組織内で発生した法令違反を内部告発した従業員に対して、経営側が報復することを禁じる法律。この法律は、2006年4月に施行され、その後2019年に改正が行われ、通報者の保護がさらに強化された。企業や行政機関が行っている、または行おうとしている法令違反を知った従業員がその内容を告発した場合、法人側がその告発を理由として解雇や雇い止め、減給、降格などの不利益な取り扱いを行うことを禁じている。この規定は、従業員が法令違反を報告する際に報復を恐れずに行動できるようにするためのものである。
公益通報法の対象となる内部告発は、刑法や食品衛生法、環境保護法、労働基準法など、国民の生命や財産を保護するための法律や条例、政省令に対する違反や犯罪である。これらの法令違反が通報の対象となり、通報者は企業内部の管理部門に加え、権限を有する行政機関や監督機関、さらには報道機関や消費者団体といった外部機関にも通報できることが規定されている。
2019年の改正により、通報者保護の範囲はさらに広がった。従業員に限らず、外部の契約者や業務委託先も保護の対象となり、報復行為に対する罰則も強化された。企業は、報復行為に対して損害賠償責任を負うことがあり、通報者の保護期間も定められている。
(2015.9.4更新)