BPR 【Business Process Re-engineering】 ビジネスプロセス・リエンジニアリング

概要

BPR(Business Process Re-engineering)とは、企業などで既存の業務の構造を抜本的に見直し、業務の流れ(ビジネスプロセス)を最適化する観点から再構築すること。

企業内の業務プロセスを、顧客に対する価値を生み出すための活動の積み重ねとして再設計し、それに合わせて職務や組織、業務手順、規則などを刷新する。組織内部の都合によって生じている本質的には無意味な業務や、歴史的経緯などにより重複している組織や業務は抜本的に取り除かれ、合理化、効率化が図られる。

現代の大企業などの組織は事業が高度に分業化され、部門ごとに部分最適に陥りがちである。顧客が求める価値や組織の目的に何ら貢献しない内部的な書類や作業が産み出され、惰性で放置され続けることで、事業の効率やスピードを毀損している。

業務改善などの手法は既存の組織や業務を前提に、その効率化や省力化、自動化などを企図するが、BPRの発想では、無価値な作業は効率化しても無価値であることに変わりはないため、組織や業務プロセス全体を再考して取り除く必要があると考える。

BPRを成功させるには、経営トップと組織全体のコミットメント、徹底的なビジネスニーズ分析と業務プロセスの練り込み、適切なITインフラの導入とITを前提とした業務設計、変革を妨げる組織文化や従業員の抵抗意識など「人」の要因に対する丁寧な対応、継続的な改善などが鍵となる。

BPRは1990年にマサチューセッツ工科大学(MIT)のマイケル・ハマー(Michael M. Hammer)教授が提唱し、1993年に同氏とジェームス・チャンピー(James A. Champy)氏の共著「リエンジニアリング革命: 企業を根本から変える業務革新」(原題『Reengineering the Corporation: A Manifesto for Business Revolution』)で注目を集めた。

(2023.1.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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