CAGR 【Compound Average Growth Rate】 年平均成長率

概要

CAGR(Compound Average Growth Rate)とは、複数の期間に渡る増加率を単位期間あたりの増加率で表したもの。倍率の幾何平均から求める。通常は「年平均成長率」と訳され、1年あたりの成長率を指す。企業や事業の成長率、投資の利益率などを考える際に用いられる。

例えば、ある企業の売上が3年間で30%増加した場合、毎年同じ割合で成長したとすると1年あたり何%で成長したかを考える。1年ごとに同じ割合で成長すると利率の計算における複利の状態となるため、30%を単純に3で割って10%とすることはできない(毎年10%だと3年で33.1%増になる)。

この場合、同じ倍率を3回掛けて130%(1.3倍)に達しているのだから、1.3の3乗根が1年あたりの倍率で、そこから1を引いて100倍すると毎年の増加率のパーセンテージとなる。3√1.3=1.09139…なので、CAGRは約9.14%であると分かる。

一般にn年間でa%成長したとき、CAGRは (((1+a/1001/n)-1)×100 で表すことができる。分かっているのが1年目の(x)とm年目の(y)である場合には ((y/x)1/(m-1)-1)×100 で求めることができる。Microsoft Excelでは「RRI関数」(Relevant Rate of Interest)を用いて「RRI(年数,初年度の,最終年度の)」とすることで簡単に計算できる。

CAGRは企業の売上や市場の規模などが拡大する様子を分析するのによく用いられる。直近の過年度の実績値からCAGRを求めることで、近い将来の事業や市場の規模を予測することができ、投資やM&A(企業買収)などをう際の判断材料とする。なお、同じ原理の計算法は投資の利回りや複利の利率の算出などでも用いられる。

(2023.2.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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