読み方 : マトリックスそしき

マトリックス組織【matrix organization】マトリクス組織

概要

マトリックス組織とは企業などの組織・部門編成の手法の一つで、二つの異なる基準で組織を設置し、一人の従業員が同時に二つの組織に所属するようにしたもの。職能や専門分野など縦軸の部門と、製品や地域など横軸の部門を格子状に重ね合わせ、各従業員は縦横それぞれの上司から同時に指示を受ける。
マトリックス組織のイメージ画像

各従業員は、例えば開発部門や営業部門といった職能別組織に籍を置きながら、特定の製品開発や地域事業のプロジェクトにも属して業務を行う。専門知識を組織全体で横断的に活用しつつ、案件ごとに柔軟な人員配置が可能になる。機能別組織プロジェクト型組織を組み合わせた構造として説明されることが多い。

うまく機能すれば、一般的な縦割り組織よりも機能の重複が少なく、職能の専門性を維持しながら対象の市場や製品に集中できる。大規模な製造業や総合IT企業、コンサルティング企業、世界的に展開する大企業など、多様な分野や地域で事業を展開する組織で導入されることがある。

一方、指揮命令系統が二元化することによる弊害もある。所属する両部門の双方から異なる指示を受けた場合、担当者はどちらの目標を優先すべきか判断に迷い、板挟み状態になることがある。権限と責任の範囲があらかじめ整理されていないと、部門間で対立や混乱が生じやすく、意思決定の速度が落ちることもある。利害の競合を調整する仕組みの整備と、社内での高いコミュニケーション能力が求められる。

この組織編成法の起源は1960年代のアメリカ航空宇宙産業にあるとされる。大規模な製品の開発において、既存の専門部署の壁を越えて人員を集約しながら、各自の専門能力も維持する必要性から発展した。その後、経済のグローバル化が進む1970年代以降、地域別組織と製品別組織を重ね合わせる形で多国籍企業への導入が増えた。縦軸と横軸のどちらに強い権限を持たせるかによって「強いマトリックス」「弱いマトリックス」と区分されることもある。

(2026.5.21更新)
 

他の辞典等による「マトリックス組織」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「マトリックス組織」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平21秋】 2人又はそれ以上の上司から指揮命令を受けるが、プロジェクトの目的別管理と職能部門の職能的責任との調和を図る組織構造はどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令7修6/令6修7/令5修6/令3修7/令1修12/平30修6/平28秋】 マトリックス組織を説明したものはどれか。
令7修1】 マトリックス組織を説明したものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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