社会的責任投資 【SRI】 Socially Responsible Investment
従来の投資判断は企業が生み出す利益に着目し、売上高や経常利益、利益率、キャッシュフローといった金銭的な指標(財務指標)によって企業価値や投資可否を検討するのが一般的だった。
社会的責任投資ではこれらの指標に加えて、環境保護や省資源、公正な雇用・取引慣行、地域社会への貢献といったCSRへの取組状況を考慮して投資先の選定を行う。広義には、CSRに限らず何らかの社会的な価値観に基いて銘柄選択を行う投資手法全般を指すこともある。
CSRや社会的・倫理的な側面は財務指標のように定量化して評価することが難しい。「兵器、アルコール、タバコ、ギャンブル、アダルト関連はNG」等といった特定の基準を設けて業種や銘柄を排除する「ネガティブスクリーニング」、再生可能エネルギーなど社会の持続性に貢献する事業やCSRへの取り組みが秀でている企業を選定して積極的に投資先に加える「ポジティブスクリーニング」などの評価手法が用いられることが多い。
社会的責任投資は20世紀初頭にキリスト教会が資産運用する際に教義にそぐわない業種を排除したのが始まりとされ、宗教的価値観に限らず何らかの社会的価値観を投資に持ち込むことを広く指すようになった。近年では、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの要素を判断材料として用いる「ESG投資」という概念も現れ、社会的責任投資とほぼ同義として用いられる。
(2022.4.21更新)