カニバリゼーション 【カニバる】 cannibalization

概要

カニバリゼーション(カニバる)とは、「共食い」という意味の英単語で、ビジネスにおいて自社の製品や店舗間で同じ顧客や市場を巡って競合が発生する状況を指す。俗に「カニバる」「カニバっている」のように動詞化した表現が用いられることもある。

同じ企業や同一企業グループの中で、複数の製品やブランド、販路などが同じ顧客や売り場、商圏などで競合し、売上や利益、市場シェアを奪い合う現象を指す。例えば、同一カテゴリーの同一価格帯に別ブランドの似たような製品を投入する状況や、既存店舗のすぐ近くに同じチェーンの別の店舗を展開するような状況である。

カニバリゼーションは経営の失敗の結果、意図せず発生する場合と、戦略上あえて引き起こす場合がある。意図せず起きるカニバリゼーションは、社内の統制が取れずに別の部署が似たような製品をぶつけ合ってしまう場合や、新しい製品カテゴリーやブランドを開拓したつもりが、既存製品のシェアを奪うだけに終わってしまった場合などが該当する。

一方、意図的にカニバリゼーションを引き起こす場合として、圧倒的なトップ企業が社内の部署同士を互いにライバルとして同じ市場内で競争させる場合や、市場や商圏から他社を追い出すために自社競合を承知で高密度の展開をする場合(ドミナント戦略)などがある。

(2021.5.5更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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