読み方 : かいしゅうきかんほう
回収期間法【ペイバック法】payback period method/PBP法
概要
回収期間法とは、投資案件の評価手法の一つで、投資した資金が何年で回収できるかを算出して投資判断の目安とする方法。計算の単純さゆえに古くから広く用いられているが、貨幣の時間価値を考慮しないなどの限界もある。

投資額を単位期間あたりのキャッシュフローで割ることで回収期間を求める。例えば、100万円を投資して年間50万円のキャッシュフローが見込まれる場合、回収期間は100÷50=2年となる。キャッシュフローが毎年一定でない場合は、各年の累計額が投資額に達するまでの期間を回収期間とする。
一般に、回収期間が短いほど投資資金を早く回収でき、投資リスクが低いと判断される。設備投資や情報システム導入など、複数の投資案を比較する際の指標として利用されることがあり、一定年数以内に回収できる案件のみを採用する基準として用いる企業もある。
計算が容易で前提条件も少なく、直感的に理解しやすいため、詳細な投資分析を行う前の予備評価や、小規模案件のスクリーニングに活用されることが多い。特に、技術革新が速く、システムの寿命や市場環境が短期間で変化するIT分野では、早期回収の見通しを立てるための重要な指標となる。
一方で、いくつかの限界が指摘されている。最大の問題は貨幣の時間価値を考慮しない点で、来年得られる50万円と10年後の50万円を同額として扱うため、長期投資の評価では実態と乖離しやすい。また、回収期間後に生じる収益は評価対象に含まれないため、回収後に大きな利益をもたらす案件が不当に低く評価されることがある。将来キャッシュフローの不確実性やリスクも数値に反映できず、目標回収期間の設定基準も企業の経験則に依存しがちである。こうした限界を補うため、実務上は割引キャッシュフローを用いる「正味現在価値法」(NPV法)や、「内部収益率法」(IRR法)と併用されることが多い。貨幣の時間価値を加味した派生手法として「割引回収期間法」も提案されている。
(2026.6.14更新)