ダイナミックプライシング 【dynamic pricing】 動的価格設定 / 変動料金制 / 価格変動制
概要
ダイナミックプライシング(dynamic pricing)とは、製品の価格戦略の一つで、同じ商品でも状況に合わせて時々刻々を価格を変化させて販売する方式。購入時期や適用時期(サービスの利用時期)によって価格が大きく異なることがある。商品の仕様やグレードなどに応じて標準的な価格帯は設定しつつ、実際の売価は市場の需要や供給に応じて日単位や曜日単位、週単位、月単位、あるいは一定の期間ごと(繁忙期・閑散期など)で刻々に変化させる。需要が多い時期には高く、少ない時期は安く販売する。早期に購入するほど割り引く方式を採用あるいは併用する場合もある。
主に宿泊施設や交通機関、施設の入場券、スポーツ観戦や観劇、コンサートなどのイベントで用いられる。これらは商品の性質としてサービス提供が特定の日時や場所に紐付けられており、供給量を短期間で大きく変動させることが難しいという特徴がある。
ダイナミックプライシングを導入することで、提供側は閑散期の割引により機会損失を回避しつつ、繁忙期の値上げで固定費の回収と収益の最大化を図ることができる。購入側は繁忙期に商品を入手しにくくなるが、閑散期に日程を空ければ同じ商品を割安に購入できるチャンスも生まれる。
昔からダイナミックプライシングを採用する業界として有名なものに航空業界(航空券)やホテル業界(宿泊料金)がある。近年では鉄道の指定券や遊園地の入場券、プロスポーツの観戦チケット(人気の対戦カードと不人気カードで価格が異なる)などでも一般的に行われるようになってきている。小売店における消費期限の迫った食品などの値引き販売も一種のダイナミックプライシングに分類されることがある。
(2022.2.16更新)