MVP 【Minimum Viable Product】 実用最小限の製品

概要

MVP(Minimum Viable Product)とは、顧客が必要とする最低限の機能のみを実装した製品。創業間もないベンチャー企業がそのような製品の投入と改良を通じて市場を開拓していく手法を「リーンスタートアップ」という。

新開発の製品を市場に投入する際、最初から様々な機能を取り入れたり無闇に完成度を高めたりするのではなく、まずは実用上最低限の特定の機能のみを実装した製品を開発し、初期の限られた顧客に向けて提供してみるという考え方である。

想定される主な顧客は、その製品ジャンルや実装される機能に強い興味を示し、素早く入手して試そうとする新しもの好きのアーリーアダプター層である。彼らからのフィードバックに基づいて改善すべき点の優先度を決めたり、追加すべき機能を検討する。

いきなり完成度の高い製品を投入しようとすると膨大なコストと長い開発期間が必要となり、後から開発方針を軌道修正するのが困難になったり、実際には顧客が求めていない機能に資源を消尽してしまったり、リリース時には機能が時代遅れになってしまうといったリスクがある。

一方、低コストで迅速にMVPを投入し、顧客の声を元に改善を繰り返すことで、顧客のニーズに沿って完成度を高めていくことができ、市場パイオニアとしての認知度の向上や、開発ノウハウの早期習得による競争優位の確立といった先行者利益の獲得も期待できる。

(2023.3.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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