プッシュ戦略 【push strategy】
概要
プッシュ戦略(push strategy)とは、メーカーなどの販売促進戦略の類型の一つで、小売店や卸売業者などの流通事業者に働きかけて顧客への売り込みを促す手法。メーカーが流通事業者に販売奨励金(リベート)や販売支援員の派遣などのインセンティブを提供したり、製品の詳細や販売手法などについての説明や指導を行い、自社の製品を消費者に積極的に売り込むよう促す手法である。
メーカーから卸売業者へ、卸売業者から小売店へ、小売店から消費者へ押し出すように売り込みが行われる様子を指して「プッシュ」(push:押す)と呼んでいる。小売店などと長期的な協力関係を結んで系列化する手法などもこれに含まれる。
これに対し、メーカーが広告やPR活動、販促イベント、試供品提供などを通じて消費者に直接訴えかけ、需要を喚起して指名買いを促す手法を「プル戦略」(pull strategy)という。プッシュ戦略とは補完的な関係であり、両者を組み合わせて販促戦略を組み立てるのが一般的である。
(2023.3.23更新)