読み方 : カンパニーせいそしき
カンパニー制組織【in-house company system】社内カンパニー制
概要
カンパニー制組織とは、企業などの組織形態の一つで、企業内に事業や製品分野ごとに仮想的な企業を設け、その内部に必要な機能・職能をすべて持たせたもの。子会社のように別の法人にはなっておらず、法的には社内の一部門である。

独立性の高い仮想的な企業内企業である「社内カンパニー」を事業や製品を単位として企業内に設ける。各カンパニーは人事や財務、営業、開発などの機能を一体的に備え、専任の責任者が事業部門単位で独立した経営判断を下す。
通常の事業部制では、人事や経理などの管理機能が本社に集中しており、各部門長の権限は限られるが、カンパニー制組織ではこれらの権限を大幅に委譲するため、意思決定が速まり、市場の変化に機動的に対応できる。損益だけでなく貸借対照表も各カンパニーが独自に管理し、資産の運用効率についても責任を負う。
一方、カンパニーごとに管理部門が設置されるため、総務や購買などの機能が重複しやすい。全社とは別にカンパニーごとの会計や管理を行うコストも余計にかかる。各カンパニーが自組織の利益を優先する結果、技術共有や部門間連携が停滞する部分最適化の弊害が生じる場合もある。全社的な研究開発や共通基盤への投資が進みにくくなる点も指摘される。
日本では1990年代以降、多角化を進める大手製造業やIT企業を中心に導入が広がった。事業ごとに顧客層や競争環境、商慣習が異なる場合、本社による一元管理よりも各カンパニーへの権限分散が実態に即した経営につながるためである。経営者感覚を持つ人材の育成にも有効とされ、分社化やホールディングス体制への移行の前段階として活用されることも多い。既存事業や伝統的な事業と軋轢が生じがちなデジタル事業や新規事業のみを独立性の高いカンパニーとして切り出し、他部門から横槍を抑える事例も見られる。
(2026.5.21更新)
関連用語
他の辞典等による「カンパニー制組織」の解説 (外部サイト)
- ウィキペディア「社内カンパニー制」
- 日本の人事部 人事辞典「カンパニー制」
- ボクシルマガジン「カンパニー制」
- ITパスポート用語辞典「カンパニー制」
- J-marketing.net マーケティング用語集「カンパニー制」