固定費 【fixed cost】

概要

固定費(fixed cost)とは、事業などにかかる経費のうち、生産量や販売数、操業度などに依らず固定的にかかる一定額の経費のこと。

設備のリース料や減価償却費、事業所の地代家賃、正社員の給与などが含まれる。生産量などが増えると単位生産量あたりの固定費は下がっていく。これに対し、原材料費や運搬費のように生産量などに応じて増減する費用を「変動費」という。

事業が全体として利益を生むためには、製品一単位あたりの変動費よりも高い価格で販売するだけでは不十分で、売上から変動費の総額を差し引いた粗利益で固定費を賄うことができる必要がある。固定費と変動費の合計が売上と等しくなる点を「損益分岐点」という。

なお、固定費が一定なのは年度や半期、四半期といった会計上の単位となる短い期間の中での話である。事業規模が大きくなれば相応に社員が増えたり事業所が増えるなどして固定費も増大し、規模が縮減すればリストラなどで固定費の削減を迫られることになる。

(2025.1.16更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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