コンジョイント分析 【conjoint analysis】
概要
コンジョイント分析(conjoint analysis)とは、マーケティング調査・分析手法の一つで、製品やサービスについて消費者がどの属性をどの程度重視して選択しているかを明らかにする手法。製品は様々な属性で成り立っており、「性能を上げれば上げるほど、価格は高くなる」といった互いにトレードオフの関係になっているものもある。各属性の水準をどのように組み合わせれば消費者に受け入れられるかを調べるのがコンジョイント分析の目的である。
調査を行うために、まず対象となる属性と、各属性の水準を明らかにする。これらを組み合わせて具体的な製品のプロファイルをいくつか作成し、消費者に評価してもらう。回答は好ましい順に順位を付けてもらったり、それぞれに得点を付けてもらうなどの方法を用いる。
属性や水準の数が多いと、すべての組み合わせを用意するのが現実的ではなくなることがある。例えば、属性が4つあり、それぞれ水準が3段階なら34=81通りとなってしまう。実際のプロファイル作成では、直交表という整理法を用いて少ない組み合わせで各水準を公平に評価できるようにすることが多い。
得られた回答群を統計的に処理することで、属性ごとに各水準がどの程度消費者の判断に影響を与えているかを表すグラフが得られる。横軸は水準、縦軸は効用値と呼ばれる-1.0~1.0の範囲に正規化された値で、1.0に近いほど高い購買意欲を喚起し、-1.0に近いほど敬遠されることを表している。
グラフが斜めに大きく傾いており、水準ごとの効用値の変化が大きい場合は、消費者はその属性の水準の違いに敏感であることを表しており、効用値の低い水準の採用は避けた方が無難であると判断できる。水準ごとの効用値の変化が小さい場合は消費者はその水準にあまり関心を払っておらず、あまり重視する必要がないことが分かる。
(2023.9.30更新)