読み方 : きぼのけいざい

規模の経済【economy of scale】

概要

規模の経済とは、経済活動において、規模の大小によって有利、不利が生じる状況のこと。工場などで同じ製品を大量生産する場合、生産量を増やしていくと一単位あたりの固定費が減少して効率や競争力が高まる現象を指すことが多い。
規模の経済のイメージ画像

企業活動では、製品やサービスを提供する際に原材料費や労務費など生産量に比例して増減する変動費と、設備投資や工場の建設費、研究開発費、管理部門の人件費など生産量に直接比例しない固定費が存在する。

固定費が一定の条件のもとでは、生産量を増やすほどそれらの費用をより多くの製品やサービスに配分できるため、単位あたりの平均費用は低下する。例えば、同じ製造ラインで月産1,000個から10,000個に増やせば、設備投資コストを10分の1に薄められる計算となる。これにより、価格を引き下げて競合に対する優位性を高めたり、利益率を改善したりすることが可能となる。

このような規模拡大が有利に働く状況を「規模の経済」あるいは「スケールメリット」と呼び、企業は利益率の向上や価格引き下げによる市場競争力の強化を図ることが可能になる。こうした効果は固定費の分散だけでなく、専門化や分業の進展、大量仕入れによる購買コストの低減、生産設備の高効率化、物流や流通の効率化などによっても生じる。また、研究開発やマーケティングへの投資を大規模に行えること、ブランド力の向上やネットワーク効果の発生なども大規模事業の優位性となる。

一方で、規模が一定水準を超えると、管理コストの増大や組織の硬直化、意思決定の遅延などにより単位コストが上昇に転じることがあり、これを「規模の不経済」という。ITやインターネットの分野では、デジタル財の限界費用がほぼゼロに近いことから規模の経済が働きやすく、先行者が市場を寡占しやすい構造が生まれやすいとされている。

他の辞典等による「規模の経済」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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