MECE 【Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive】
概要
MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)とは、論理的思考のために用いられる概念の一つで、物事の分類や場合分けを「漏れなく」(Mutually Exclusive)、「重複なく」(Collectively Exhaustive)行うこと。また、分類法などが備えるそのような性質。例えば、人間集団を分類するのに「0~6歳」「7~18歳」「19~34歳」「35~64歳」「65歳以上」という区分を用いれば、それぞれの項目には重なりがなく、この区分に該当しない人も存在しない。このような分け方をMECEという。
一方、「乳幼児」「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」「社会人」「高齢者」のように分けてしまうと、「社会人や高齢者の大学生」のように一人が複数の項目に当てはまる重複が生じ、一方で高専生や専門学校生、大学院生など当てはまる選択肢のない人が生じてしまう。この状態はMECEではない。
MECEによる基本的な分類技法として、全体を大きな区分に分け、各区分の中をさらに細分化していく「トップダウンアプローチ」と、最小の構成要素をリストアップして、組み合わせて大きなグループを構成する「ボトムアップアプローチ」の2種類がある。いずれの場合も、時間的(時系列的)な区切り、空間的な区切りなど分類の基準や切り口を明確にしておく必要がある。
大分類、中分類、小分類と段階的に細分化された区分を枝分かれする樹形図の形で表したものは「ロジックツリー」(logic tree)という。マーケティングやビジネス戦略の分析法の中にはMECEの概念を応用したフレームワークが数多くある。3C分析や4P分析、SWOT分析、PEST分析、バリューチェーン分析、製品ライフサイクル(PLM)、AIDMAなどである。
(2024.5.15更新)