PEST分析 【Political, Economic, Socio-cultural and Technological analysis】

概要

PEST分析(Political, Economic, Socio-cultural and Technological analysis)とは、市場や事業環境などを分析する手法の一つで、政治(Politial)、経済(Economic)、社会・文化(Socio-cultural)、技術(Technological)の4つの側面に着目してマクロ環境を把握すること。これら4つの頭文字を取ってこのように呼ばれる。

政治的(P)な要因には、政治体制の安定度や法制度、税制、雇用制度、政府・行政による経済や企業活動への介入の度合いなどが含まれる。経済的(E)な要因には、当該市場のマクロ的な経済環境、すなわち経済成長率や物価、金利、為替レート、景気などが含まれる。

社会・文化的(S)な要因には、人口動態や年齢構成、人種・民族・言語構成、文化的・宗教的背景、キャリア観、ライフスタイル、健康や安全に対する意識などが含まれる。技術的(T)な要因には、IT通信、製造などに関わる技術動向やインフラ特許などの知的財産制度、政府の研究開発への振興・助成などが含まれる。

これら4つに加えていくつかの他の要因を加えた派生手法(PESTEL分析など)が数多く提案されている。例えば、法的要因(L:Legal)、環境要因(E:Environmental)、人工統計学的な要因(D:Demographic)、規制要因(R:Regulatory)、異文化的要因(I:Intercultural)、軍事的要因(M:Military)などである。

PEST分析は1967年に米ハーバード大学経営大学院の経営学者、フランシス・アギュラー(Francis J. Aguilar)氏が著書 “Scanning the Business Environment” の中で「ETPS」として提唱したもので、後に現在の語順「PEST」に改められて広く普及した。

(2021.11.12更新)

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