CSR 【Corporate Social Responsibility】 企業の社会的責任
概要
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、企業が社会に与える影響について責任を持ち、社会の持続的発展のために貢献すべきとする考え方。また、そのような考え方に基づいて実践される諸活動。企業が株主に対する責任を果たして利潤を追求するだけでなく、社会の一員として従業員や取引先、消費者、地域住民、行政、社会全体といった様々な利害関係者(ステークホルダー)を尊重し、自らの影響に対する責任を果たすための自発的な取り組みを指す。
具体的には、環境保護、人権尊重(途上国の委託工場の労働環境の監督など)、顧客や消費者への積極的な情報開示(原材量の調達元の公表など)、公正な取引(下請け企業との取引条件の開示・改善や、いわゆるフェアトレードなど)などの活動を行う企業が多い。
ヨーロッパでは業務や事業のあり方を規定する指針の一つとしてCSRに取り組む企業が多いのに対し、アメリカでは寄付や慈善事業、ボランティア活動、地域貢献など、利潤を社会に還元したり地域の一員として貢献するのがCSRであるといった考え方の企業が多い。
日本もアメリカ型に近く、エネルギー企業が植林を行なったり、金融機関が学校に投資家教育を提供したりと、事業分野と関連はあるが本業とは別に社会貢献活動を行うのがCSR活動であると考える企業が多い。日本独特の考え方として法令遵守(コンプライアンス)をCSRに含めることがある。
ISO(国際標準化機構)ではCSR(正確には企業に限らない様々な主体の社会的責任)のガイドラインとして2010年にISO 26000を策定した。この中では7つの原則として
- 説明責任 (Accountability)
- 透明性 (Transparency)
- 倫理的な行動 (Ethical behavior)
- ステークホルダーの利害の尊重 (Respect for stakeholder interests)
- 法の支配の尊重 (Respect for the rule of law)
- 国際行動規範の尊重 (Respect for international norms of behavior)
- 人権の尊重 (Respect for human rights)
を挙げている。
(2023.8.24更新)